Getting Over It With Bennett Foddy とかいう神ゲー(あるいはクソゲー)について雑感

ゲームの概要

  • 壺に入った謎のおっさんが携えたハンマー一つで山を登っていく
  • 登り切ったらクリア
  • 1データ、常時オートセーブ(「ここまで進んだからセーブして、失敗したらそのデータをロードしてそこからやりなおし」みたいなことができない)

ゲームのジャンルとしてはかなり特異だと思う。

このゲームは、いわゆる苦行ゲーとして有名で、ひどらがその存在を認知したのはTwitterか何かで

10時間以上耐久配信をしていた韓国人兄貴が(ほぼ)スタート地点まで戻されて絶望している動画 (ニコ動切り抜き)

だったように思う。

余談:元ネタ?

壺に入ったおっさんはソクラテスの孫弟子にあたるディオゲネスとかいう哲学者がモデルになっている。

史実かどうかは知らないが、アレキサンダー大王に「何か望むことはあるか?」と問われて「お前が立ってるせいで日陰になってる、どいてくれ」と言ったとか言わないとかいう逸話があったりする。

ディオゲネスが壺(樽?)に入って生活していたというのは(これも史実かどうかは知らないが)有名だが、いくら何でもハンマーだけで山登りはしていなかったんじゃないかな、知らんけど。

概要と雑談だけしたところで、このゲームを素で初見で楽しみたい(苦しみたい)人はブラウザバックしたほうがいいかもしれない、とだけ伝えておく。

重大なネタバレ(そんな謎と呼べるような謎があるようなゲームじゃないが)やクリティカルな攻略情報を書く気はないが、このゲームの面白さの根幹のような、少なくともひどらがそう感じた要素に触れることになるため。

クソゲーなのか?理不尽なのか?

このゲームを実際にやったことがない人、あるいはYOUTUBERやVTUBERの配信、あるいはその切り抜きでだけ見たことがある人は

理不尽な難易度のクソゲー

と認識しているんじゃないかと思う。いや、その認識はある意味では間違っていないとも思うんだけども。

でも、それだけで済ませるにはもったいない魅力がこのゲームにはある、とプレイした結果ひどらは感じたので、これを頑張って言語化してみようと思う。

ゲームのデザインについて

まずもって、このゲームは(特に長時間の)配信にあまり向いてないゲームであるように思う。

いやまぁ確かに他人が長時間かけて積み上げてきたものを一瞬で無に帰される様子は、愉悦をもたらす一種のエンターテインメントだとは思うが...

このゲームは確かに"意地悪"で、「頑張って積み上げてきたものを一瞬で無に帰す」ように作られている。

作者自身が「特定の人に向けて誕生したゲーム。特定の人を傷つけるために。」とか言ってるくらいには意図された悪意がある。

ただ、このゲームがクソゲーか、理不尽か、と言われると、必ずしもそうではないんじゃないかというのがひどらの意見である。

何がこのゲームのキモなのか

まず、RTA走者が多いことからも察せられるように、このゲームには運要素がほぼないと言っていい。

もちろん完全に同じ個所で完全に同じ動作を再現するのは人間には難しいことだが、似たような場所で似たような動きをしたら似たような結果が得られる。

難しい場所であってもパターンを作って反復練習すればかなりの精度で登ることができるし、逆に簡単な場所であってもちょっと変な操作をすれば上手に登れず大きく落下する、なんてこともある。

「頑張って積み上げてきた結果(現在地)を一瞬で無に帰す」ことはあっても「頑張って積み上げてきた知識・経験(登り方・パターン)を一瞬で無に帰す」ことはない、というのがこのゲームのキモだと個人的には思っている。

そしてこの積み上げてきたものは初見のエリアであっても役に立つ。

逆に、ハンマーを適当に振り回して登っていくアクションゲームだと認識して、偶然得られた結果(現在地)だけを積み上げた人間は大小問わず落下のたびに運ゲー(のように見えるやり直し)を強いられる。

結果、低い突破確率の難所を乗り越えるために、バカみたいな数の再試行をやらされるハメになる。低い突破率をベースにした掛け算がどんな結果を生むのかは想像に難くないだろう。

賽の河原ゲーと呼ばれる所以はこのあたりにあるように思う。

もちろん、そもそものパターンづくりには試行錯誤が必要だし、たとえ攻略動画等を参照して動きの理想形が脳内に描けていたとしても、アクションゲームとしての操作が安定するまでは、それなりの繰り返しを強いられるだろう。

でも、ちゃんと考えて、反省して、パターンを確立して登っていく、という姿勢を貫くことが出来れば、繰り返しのたびに精度は上がっていき、その地点に帰ってくるまでの繰り返しそのもの効率が良くなり、やがては頂上にたどり着く事が出来る。

この「ちゃんと考えて、反省して、パターンを確立して登っていく」という部分は成長を感じられて素直に面白いと思えると、ひどらは感じることが出来たのである。

大きく落下することはあっても、落下する前の地点まで戻る事のコストをどんどん下げていく実感があれば、再度の挑戦に心が折れることはないのである。

隠された要素

別に隠しコマンドや裏技の話をしたいわけじゃないけれど、

  • 特殊な操作性をもつアクションゲーム性
  • 一見すると理不尽に見える意地悪なデザイン

の裏には、

  • パターンづくりの意味でのパズルゲーム性
  • パターンさえ作れていればたとえ落ちても容易に再チャレンジできるというデザイン

が隠されており、このパターンの確立、および確立されたパターンを高精度で再現できるようになっていく成長の実感は、得も言われぬ面白さを生んでいるように思う。

実績

このゲームにはシンプルな実績が3つだけ設定されており、

  • 初めて登頂する
  • 2回登頂する
  • 50回登頂する

と言ったものになっている。50回登頂するとおっさんが入っている壺が金色のものになる。これがこんなゲームを50回もクリアした狂人への揶揄と尊敬を含んで"金壺"と呼ばれるものである。

2回目の登頂への意欲について

初めての登頂を終えた後、2度目のチャレンジに意欲が湧くかどうかという点も、このパターンづくりができたかどうか、に依存するのではないだろうか。

実際ひどらも、上り始める前は「こんなゲーム一回上ったら満足だし絶対即アンインストールしてやるぜ」と思っていたものだが、一度登頂した後は「今の状態でもっかい最初からやったらどのくらいスムーズに登れるのか試したい」とアンインストールには至らなかった。

ひどら個人としては50回の登頂やTAへの挑戦は現時点であまり考えていないが、一度登り切ったら今度はTAとしての要素が自然と見えてくるというのもまた面白いポイントだろう

TAも意識してデザインされている要素だと思われる。クリア後画面には所要時間がばっちり表示されているわけだし。

まとめ

いろいろと書いたが、見かけのバカさ加減に反比例するように良くできた、よくデザインされたゲームだと思う。

万人が楽しめるタイプのゲームではないことは間違いないのだが、"何かが上手になっていく過程、成長の感覚" を面白いと思えるようなオタクには素直におススメできる作品だと思う。

余談:マウス

普段ひどらは机の上のスペースや複数台のPCを同時に動かす都合、PC切り替えボタンのあるトラックボールのマウスを使っているが、このゲームを遊ぶときに限ってはゲーミングマウスを使っている。

もともと今使っているゲーミングマウスは、「俺が指定するハイエンドゲーミングマウスを贈ってくれたら壺くらい登頂してやんよwww」とフォロワーを煽って手に入れたものだが、試しにトラックボールのマウスでプレイしてみたがまともにプレイできたものではなかった。

マウスの質がプレイにどのくらい影響するのかまでは分からないが、確実に言えるのはトラックボールのマウスで登頂するのはかなり難しいだろう。

最後に、未登頂のプレイヤーへ

血迷って買ったけど詰んでいる、フォロワーという名の敵から投げつけられたけど見て見ぬふりをし続けている、という人がいて、この記事を読んで再度登頂へのチャレンジをしてみようかな、と思えた人がいたのなら嬉しい。

もしもどうしても突破できない場所があれば、自分なりのやりかたやコツなどを教えることはできるかもしれないので、気軽にこの記事へのコメントでも、TwitterやDiscordなどでメンションしていただければと思う。

ミッドサマー(2019)感想

ミッドサマー をAmazonPrimeのウォッチパーティ機能を使って友人と見た。

今回はネタバレなしの感じで書いてみようと思う

まずはざっとあらすじ(上記のリンクよりコピペ)

アメリカで暮らす大学生のダニーと恋人のクリス、その仲間たちは、交換留学生であるペレの故郷スウェーデン夏至(ミッドサマー)に行われる祝祭に誘(いざな)われる。その村では、90年ごとに9日間の浄化の儀式が行われ、人々は着飾って様々な出し物をするのだという。人里離れたヘルシングランド地方、森の奥深く、美しい花々が咲き乱れる“ホルガ村”を訪れた5人は“白夜”のもと、優しく穏やかな村人たちから歓待を受ける。しかし、閉鎖空間の中、次第に不穏な空気が漂い始め、ダニーの心はかき乱されていく。妄想、トラウマ、不安、恐怖……それは想像を絶する悪夢の始まりだった。

細かくストーリーを追うとただの要約になっちゃうしネタバレしまくるのでひどらさん目線で良かった点をいくつか

  1. 白夜という舞台装置を利用した、徹底した明るさ演出
  2. 壁画やちょっとした会話で仄めかされる村の風習の不気味さ、それとははっきりと対照的な村人たちの穏やかな立ち居振る舞い

本作を素直にホラー映画に分類していいのかはかなり怪しげだが、ホラー映画のテンプレ死亡フラグをちゃんと使っていたこと(例 : やるなと言われた余計なことをするキャラ、現状の幸せを周囲に祝われるキャラ、「こんな村にいられるか、俺は帰らせてもらう!」)などなどなど

しかし、そういったテンプレ要素を除いて、いわゆるホラー映画の要素とは完全に逆の方向を行くこの2つのポイントが、他のホラー映画では得難い不思議な不気味さを醸し出している。

ホラー映画と聞いて雑にイメージするモチーフとして「暗闇」と「(人や怪異の)憎悪・悪意」が挙げられると思うが、この作品は「明るさ」と「慈愛・善意」が嫌というほど強調されている。

村人たちは「村の存続と繁栄」のためにやるべきことを、彼らにできる範囲で効率的にやっているだけで、そこに「主人公たちを害してやろう・陥れてやろう」という悪意が全く感じられない。

悪意が全く感じられず、穏やかで明るいのに、実際に起きることは地獄絵図、というミスマッチがなかなか独特の雰囲気を醸し出していた。

自分が映画を見る際に一応チェックする地雷要素チェックサイト DoesTheDogDie.comの本作品のページ を見るとわかるが、スプラッタというほど血みどろな描写はないが、エロ(微)・グロ(強)の要素があったり、演出として映像が歪んだり霞んだりするシーンが多い

そういった要素が大丈夫な人で、明るいホラー(?)を試してみたいという人にはお勧めできる映画だと思う

あるいはもしもAmazonのウォッチパーティでこの映画を見たいという人がいたら、自分も見逃した伏線や要素を愉しむために再走したいと思うので是非声をかけて欲しい、時間が合えば参加したい

この映画自体は2時間ちょっとだが、Netflixでは3時間版のディレクターズカット版が見れるらしい そっちでは明かされなかった真実(の一部?)が見れるそうなので、早送りしながら見てみたいという気もしてきた

Ready for Ferry

初回は旅行の話、というか北海道行き(新潟発小樽行)のフェリーの中で思い立って筆を執っている。

せっかく初めてバイクと一緒にフェリーに乗ったので、フェリーの話をしておこう。

お品書き

  • 乗船の流れ
  • 船内の設備
  • 過ごし方
  • 下船の流れ

備忘録に近い

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Forward for words

hydra221212ことHYDRA(ひどら)さんです。

隙あらば自分語り

最近「フォロー・フォロワーさんのブログが目立ってきたなー、自分も何か書くかなー」と思い立っては 「何となく流行っているからという理由でやりたくねぇな」という持ち前の天邪鬼を発動していた。

とはいえ、まとまりはないかもしれないがまとまった量の文章を書く機会が欲しい、と思うことがとみに増えたように感じるので (結局のところは流行に乗って)何か書いてみようと思う

タイトル元ネタはいつものようにMCUから一ひねり。

今ふと考えられるトピック

  • 映画の紹介・感想

    • 友人らとAmazonPrimeのウォッチパーティ機能を使っていろいろと見る機会が増えてきたため
    • 作品によるけどネタバレはしたりしなかったり。都度有無を書くようにしよう
  • 海外ドラマの紹介・感想

    • 昔は狂ったように見ていたのに、ここ1年程遠のいていたが、好きなドラマの新シーズンが見れるようになったりしたので
  • 旅行・ツーリングの記録

    • これは単に共有したい、自慢したいみたいな話。キラキラしたSNSみたいな感じにはならないと思うけれど
    • 追走する人が居たら役に立つかもしれないしね
    • 車載動画を作るコストは払えないけれど紹介したい、みたいな時あるよね
  • ゲーム

    • これやって面白かった、とか。気になってる、とか、昔こういうゲームがあった、とか
    • 自分が(スプラ始め)対戦ゲームの話をしようとすると独りよがりなお気持ち表明になる気がしてならないあんまりしないかも…

映画じゃなくても見た動画の感想とか、最近めっきり触らなくなってしまったイラスト作成の話とかも出来たらよいかもしれないね。知らんけど。